そば屋開業ガイド第2章
第2章 「あの店の、あの蕎麦」をつくる
お客様の半分が注文する看板メニューへ
小さな店に、何十種類もの名物は必要ありません。
「あの店に行こう」ではなく、
「あの店の、あの蕎麦を食べに行こう」
そう言われる一品をつくります。
今のお客様は、店に入ってからメニューを選ぶとは限りません。
Googleマップやホームページ、SNS、口コミを見て、
「今日は、あの蕎麦を食べよう」
と決めてから来店します。
できれば、お客様の半分が注文する看板メニューを開発しましょう。
そして、世間に向けて、分かりやすく旗を掲げます。
「うちのお店に来たら、これを食べてください」
天ざるなのか。
くるみそばなのか。
十割そばなのか。
季節の小皿を添えたセットなのか。
一番食べてほしい商品を、写真、商品名、価格、説明とともに、はっきり見せます。
ホームページ、Googleマップ、SNS、店頭、店内メニューでも、同じ商品を伝えてください。
店へ着く前から、
「写真で見た、あの蕎麦をお願いします」
と言ってもらえる状態が理想です。
メニューが減ると、店が驚くほど回り始める
注文が看板メニューに集まると、店の仕事が整います。
仕入れ量が読みやすくなる。
仕込みを集中できる。
提供時間が安定する。
食材のロスが減る。
スタッフが仕事を覚えやすくなる。
注文されるメニューができれば、使う食材の仕入れ量も多くなります。
仕入れ量がまとまれば、食材の仕入れ価格を下げられることもあります。
売れる商品がはっきりすることは、厨房を回しやすくするだけでなく、仕入れの面でも店を強くします。
メニューが減ると、お店が驚くほど回り始めます。
もちろん、メニューの豊富さを売りにする店を否定するものではありません。
10種類のそばと、10種類のトッピングを掛け合わせれば、100種類の楽しみ方をつくれます。
「今日は何を組み合わせよう」
という選ぶ楽しさを、店の名物にしてもよいのです。
大切なのは、メニューの数ではありません。
何を目当てに来ていただく店なのかを、はっきりさせることです。
一つの看板商品を強くして、
「あの蕎麦を食べに行こう」と思っていただく店にするのか。
豊富な組み合わせを用意して、
「今日は何を選ぼう」と楽しんでいただく店にするのか。
どちらが正解ということではありません。
店の考えを決めて、お客様に分かりやすく伝えることが大切です。
まとめ
小さな店に、何十種類もの名物は必要ありません。
「あの店の、あの蕎麦を食べに行こう」と言われる一品をつくることが、来店理由になります。
看板メニューが決まると、仕入れ、仕込み、提供、スタッフの動きも整いやすくなります。
一つの看板商品を強くするのか。
豊富な組み合わせを店の特徴にするのか。
何となく増やすのではなく、店の考えとして決めることが大切です。
次章では、小さな蕎麦屋が価格を守りながら、お客様の満足を高める考え方をお伝えします。